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活かして究める 雨の建築道
「せせなげの家」で昔の排水施設を転用する事例が、「雨の建築道」日本建築学会編に掲載された。その本は、雨を活かして、暮らしの安心と楽しさをつくる様々な方法がイラストで説明され、興味がわいてくる。
頻発するゲリラ豪雨と渇水、雨の降り方がおかしくなっている今日、雨との付き合い方を究める一冊と本の帯には書かれている。「水問題は今世紀最大の難問と云われ、その解決への第一歩は、雨との付き合い方にかかっている。その手段を解説した本書の内容が万人の常識となって欲しい。」と、吉野川に頻繁に来られた大熊孝先生の師、高橋裕先生が推薦している。これまで徳島は水に恵まれてきたと言えるが、近年の異常気象と頻繁に起こる洪水や様々な災害、水質汚染等、地域を越えて誰もが水は身近な課題として考えなければならなくなった。
「せせなげの家」では、かつて徳島のこの地域でよく見られた排水を溜めて浸透させる「せせなげ」を修復し、雨池としてビオトープ化する。めだかが泳ぎ、菜園にも利用する。生活排水は石井式合併浄化槽で飲み水に近くなるほど浄化され、この池を満たし、用水に流れる。
雨水はもともと蒸留水であり、初期雨水を除くと、きれいな水になる。たて樋や溜めますに初期雨水仕分け装置を設置する。雨水タンクを地下に設置し、トイレに利用したり、非常時に備える。余剰水は水生植物を植えた排水路からこの池に流れ込む。建築主は農のあるこれからの暮らしを実践され、故郷を楽しんでいる。