user_mobilelogo

暑中お見舞い申し上げます。

経験したことのないような集中豪雨が九州、北京と続き、突然の酷暑、異常気象と記録的な豪雨の更新が日常的になりました。

7月28日(土)午後3時から徳島市の建設センターで、「これからの環境と建築―木の魅力を拡げる」、建築家中村勉氏による講演会が開催されます。中村氏は環境建築に対する造詣が深く、日本建築学会のこの分野や日本建築家協会環境行動ラボで長年主導的役割を果たされています。氏の建築の仕事、大東文化大やみなと保健所を拝見しました。
さまざまな環境と建築の新しい取り組みが随所にあり、快適でありながら、同規模の施設に比べ光熱費などのランニングコストはかなり少ないそうです。何よりも大東文化大は、素晴らしい出会いを生みそうなすがすがしい空間をもつ学び舎です。



主催は日本建築学会徳島支所で、徳島県建築士会、徳島県建築士事務所協会、日本建築家協会徳島地域会の協賛です。



講演会に至るお話です。

大きな課題ですが、地震・津波への対策、人口縮減と地域活力の低下が横たわり、顕著になってきた気候変動と地球環境の問題、原発問題からエネルギー問題の深刻さがより顕在化し、低炭素社会への新たな取り組みが一層急がれるようになりました。

住宅・建築物における省エネ化施策がハードルを上げて、具体的に実施され始めます。2020年までには、新築建物はすべて次世代省エネ等級4以上で、ゼロカーボン化が義務付けられ、2050年までには、既存建物を含むすべてが、ゼロカーボン化するロードマップが示されています。

一方、そうした施策がどうしても画一的に行われがちになることで、日本の多様な気候風土や豊かな地域性を反映した住環境や、伝統の知恵を生かした住まいの維持・実現が難しくなる危惧がでてきます。
10年余り前に施行されたシックハウス対策は、東京のような大都市の中あるいは深刻な問題の対処としては、説得力があったかもしれませんが、北海道から沖縄まで強制的かつ画一的に、24時間換気扇を電気で動かすというおかしい矛盾を連想します。

省エネ化建築は最初に、太陽光発電などの装置や効率のよい機器にあるのではなく、まず断熱化や遮熱をし、住宅や建築の基本性能を上げ、自然の恵みを生かし、エネルギーを使わなくてすむ心地よい居住空間を目指すことが大切だと考えます。

北型モデルである高気密・高断熱化は、徳島のような気候風土ではどうなのでしょうか。夏は高温で雨が多く湿度の高い地域で、木造建築を高気密化することは自然の働きに無理が生じやすいです。

低炭素・人口縮減時代へ、自然を活かし、日本の多様な地域環境特性と風土に対応した、豊かで自立循環的な建築や地域づくりの考え方が大切だと思います。地域性や気候特性を活かして、光熱費や消費エネルギーを少なくし、かつ快適で豊かに暮らす住まいや地域の環境をつくりだす考え方が求められます。

地球環境時代の技術や思想と、地域で培ってきた自然を生かす知恵や素材、伝統技術を活かした表現を大切にする多様なゼロカーボンの建築を目指したいものです。
これからの環境政策や建築のあり方に対して、多くの方々が関心をもて考えていく機会になればと、講演会を企画しました。

新居建築研究所

〒779-3124 徳島市国府町中246-4

TERUKAZU NII & VASANTI MENON, ARCHITECTS & ASSOCIATES

246-4, NAKA, KOKUFU-CHO, TOKUSHIMA CITY, JAPAN 779-3124,

088-642-7257   088-642-7274  お問合せ/CONTACT

sidebar1 custom