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屋根とランドスケープ
出雲大社は、その三方を山々が囲み、2つの小さな川が東西を南流するやや開けた谷間に鎮座する。地下水が豊富で、背後に山を仰ぐ水源の地にある。近くには良好な港が存在していたらしい。壮大な屋根が自然環境と関係をつくり、聖域を形成し、大社空間をつくっている。
写真は江戸時代初期の出雲大社の絵図であるが、本殿が背後の北山、八雲山と一体となることが意識されている。
出雲大社の参道東側に隣接した大社の南北軸と平行に伸びる敷地に古代出雲歴史博物館がある。槇文彦設計による現代建築である。大社背後の北山山系を共有し、古代の山を際立たせるようなランドスケープをつくっていた。
翌日、石見銀山を訪ねた。山に挟まれた街道沿いに鉱山町、集落が形成されていた。道から奥まった小さな谷や集落背後の山裾部に異なる宗派の社寺がいくつもあり、過酷であった銀山の暮らしに対して、どれも安寧のある集落の精神的場所をつくっていた。
写真はその一つだが、屋根と山のランドスケープが引き立てあう場所に寺院空間があった。
建築が自然のどのような豊かさと関係性をもとうとしているのか、その意識を実感する。
集落の道から、聖域へとアプローチする階段。
石見銀山・大森地区にある自動販売機。