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心地よい住まい - 微気候をつくる
再生して10年が過ぎた丈六の家を訪ねた。
住環境を緑がしっとりと包み、季節折々に咲く花や果実が所々に見え、ご家族が環境を楽しまれていた。
炎天下であったが、門から木漏れ陽の下にはいると、体感温度が変わり、すがすがしさに転じた。
こんなに暑くなっても、エアコンはほとんど使わなくてすむそうである。1年を通じて季節の変化を楽しめ、特に夏が最高だそうだ。
軒の出や樹木で強い日差しを遮り、緑を通して心地よい風が生まれ、家の中へ招かれ巡る。
生活排水を浄化した水が地面を潤すと、涼しさをよび、緑を生き生きさせ、蝶や小鳥たちが寄ってくる。
建築と造園が一体となる住環境空間を意図する。
10年を経ると植物は生育し、地被植物はそれぞれが生息に適正な環境を選び、自然のバランスの中で息づいていた。
葉枯らしの自然乾燥杉の床、天井と柱・梁の架構空間をつくったが、その杉材も艶のある濃い色になり、一層環境に馴染んでいた。
冬は、朝、晩に石油ストーブを使うぐらいで、日中は陽の温かさで、ほとんど暖房をしなくてもすむそうだ。
室内から見る雪の風景、梅雨や台風時の雨が降る景色は、全身に受け感動するという。
外と内の境界を感じさせない空間の豊かさと、快適でありながら冷暖房費がかからない住空間をいつも自慢される。
家の中に家をつくり、人を包むように大きな緑が囲む環境が心地よい微気候をつくる。
建築が人の意識を、廻りの自然の営みから空や、田畑、山の風景までつなげる。
物理的な温度や湿度といった建築の温熱環境を超えて、快適さや身体の解放感を生み出しているのだろう。
ダイニングから見る緑の壁でつくる美しくて楽しい自然の格子
インドでは石の透かし彫りの格子窓をジャーリーという。
光のアラベスク空間の中で、涼しさを呼ぶ。
インド、ファテープル・スィークリー